私は12年前くらいからパニック障害、機能性ディスペプシア、自律神経失調症で苦しんでいます。
体調が悪い中で無理して出勤することは本当に苦しいですし、無理して出勤できる状態ならまだしも、どう頑張っても出勤することが不可能な時もあるかと思います。そんな時、もう仕事を辞めようと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。私もそうでした。
しかし経済的に、また今後病気を克服していくためにも、辞める前にまだできることがあります。それは休職して療養しながら傷病手当金を受給することです。私は過去2回傷病手当金を受給しました。今日は私の体験談とともに傷病手当金の概要についてご紹介します。
- 体調が悪くて仕事を辞めようと思っている方
- 仕事を辞めたいが経済面で不安なため無理をして出勤している方
- 精神疾患での傷病手当金受給が可能かどうか知りたい方
- 傷病手当金がどの程度の期間受給できるのか、また何回受給できるのか知りたい方
このような方に向け、傷病手当金について私が受給した実体験をご紹介するとともに、上記のような疑問点にお答えします。体調を崩した上に経済的不安を抱えている方の一助になれば幸いです。

辞めます!と言う前に一呼吸置いて考えてみて下さい!
私の傷病手当金受給歴まとめ

まずは私の傷病手当金受給歴をまとめました。
- 12年前、 「前職場にて」パニック障害で出勤不能⇒1年6か月の受給
- 5年前、「現職場にて」機能性ディスペプシアで出勤不能⇒2週間の受給
- 現在パニック障害ぶり返し中で出勤不能ですが受給はなし⇒在宅で少し勤務中のため
精神疾患というと「うつ病」が有名ですが、パニック障害も機能性ディスペプシアも精神疾患の一環です。結論として精神疾患でも傷病手当金は受給できます。
病気について簡単にご説明すると、パニック障害は動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作がおきて日常生活に支障をきたします。私の場合、一番困ったのは電車に乗れないことでした。電車に乗ろうとするだけで上記のような症状が出てしまうんです。
機能性ディスペプシアは、胃もたれ、膨満感、吐き気などの胃の不調があるにもかかわらず、内視鏡で検査しても異常が認められない病気です。私の場合は膨満感で食事ができないだけでなく、胃が破裂しそうで動くことも困難になってしまいました。
傷病手当金の概要

まず最初に傷病手当金について概要をご紹介します。
傷病手当金とは
傷病手当金は、病気やケガなどで働けないときに給与の一部に相当する金額が支給される健康保険の制度です。協会けんぽまたは各健康保険組合から支給されます。残念ながら国民健康保険にはこの制度がありませんので、健康保険に加入していない場合は諦めるしかないです(泣)。
会社員でフルタイムで働いている場合はまず加入していると思いますので、条件を満たせば支給されます。
支給の要件
支給の要件としては、
- 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
- 仕事に就くことができないこと
- 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
- 休職した期間について給与の支払いがないこと
であり、仕事に就くことができないことの証明として、申請書に医師が病状を記入します。
金額、支給期間
金額については、正確な計算方法はここで全て書くと複雑になってしまうので支給される健康保険組合の規定を確認して頂きたいのですが、ざっくり言うと一日当たりの支給額は標準報酬月額÷30日×2/3です。一日当たりで、基本給の3分の2は出ると考えて良いでしょう。
支給期間は最長1年6か月です。この間に治療すれば治る方もかなりいらっしゃるのではないでしょうか。
傷病手当金受給体験談

詳しい私の傷病手当金受給体験談をご紹介します。
パニック障害での受給体験談
私の場合は過労によりパニック障害を発症しました。当時は傷病手当金の存在を知りませんでした。どう頑張っても出勤できなくなったので退職を願い出ましたが、引きとめて頂いてまずは有給消化、その後傷病手当金の申請を案内されました。
以下、Q&A形式で体験談を交えて傷病手当金についてご説明したいと思います。
Q1.精神疾患でも傷病手当金は受給できる?
A.できます!精神疾患は病気です。医師が、仕事ができないとの診断を申請書に記入してくれれば受給できます。私もパニック障害と機能性ディスペプシアで受給しました。
Q2.医師に申請書の記入をしてもらうのは困難ではない?拒否されることはないか?
A.虚偽でなければ、心配することはありません。きちんと事実を記入してくれます。
私の場合は心療内科で医師に申請書を渡し、症状と勤務できない状況である旨を記入してもらいました。「傷病手当金の申請で・・・」と申請書を渡したら、その心療内科では同じような人がたくさんいるようで、慣れた感じで記入してくれました。あとは、当時はとにかく辛くて通院回数も多く医師との信頼関係ができていたこともあると思います。とは言え初診だとしてもよほどのことがなければ拒否されることはないでしょう。
Q3.最長1年6か月とあるけど、本当にそんな長期間受給できる?
A.できます。回復せず、申請書に医師が仕事ができないと記入している限り受給できます。私も1年6か月受給しました。
パニック障害は短期間で治る人もいるようですが、私は休むまでに限界まで我慢してしまったこともあり、かなりこじらせてしまいました。結局支給期間最長の1年6か月を受給し、残念ながら退職となりました。
1年6か月もの間、それなりの金額が支給されて経済的に本当に助かりました。あのときあっさりと辞めなくて本当に良かった(笑)。もしブラック気味な企業で退職を勧奨されたとしても、できればなんとか交渉して留まって欲しいです。休む権利はありますから!

早く復職するためには限界まで我慢しないで、早めに休むことが重要だと思います。
機能性ディスペプシアでの受給体験談
パニック障害が寛解して数年後、今度は機能性ディスペプシアを発症しました。この時も出勤不能になり2週間超欠勤しました。
この時はできればいったん休んで早く復職したいと思っていたので、退職は考えていませんし申し出てもいません。結果的に短期間で無事復職することができました。
その後傷病手当金を申請できると人事より案内があり、申請書を持って通院していた病院(胃腸科)へ。パニック障害の時と同様に勤務できなかった旨、主治医に記入いただけました。
このように復職後でも申請すれば受給することができましたし、申請書もスムーズに記入していただけました。
同じ病気で再休職したとき傷病手当金は受けとれるか

精神疾患の場合は長期化する可能性も高く、私のように寛解してもまたぶり返す人も多そうです。そんな場合はどうなるのでしょうか。
こちらもQ&A形式で体験談を交えてご説明したいと思います。
Q1.1年6か月経過しても治らずに復職できない場合はどうなる?
A.残念ながら傷病手当金は打ち切りになってしまいます。その後仕事ができない場合は障害年金の申請、それが通らずに経済的に困窮した場合は生活保護を視野に入れることになるでしょう。
Q2.1年6か月経過してその時点では復職したものの、しばらくしてまた休職した場合に受給できる?
A.同一疾病の場合は支給されないのが原則です。ただ、復職して相当期間経過し、その後またぶり返した場合は「別の疾病」とみなされる場合があります。それは病気の経過や就業状況等の調査の上、 協会けんぽまたは各健康保険組合(ご自身の加入しているところ)が判断します。
私の場合、パニック障害で1年6か月手当を受給しました。その後その職場には復帰できずに退職、2年くらいたって寛解し、転職して別の健康保険組合に加入しました。その後7年以上通常勤務してから機能性ディスペプシアで手当を受給しました(こちらは2週間程度)。これは別の疾病だから問題なく受給できました。
そして現在また電車に乗れず出勤ができなくて、これでまた傷病手当を申請するとなると病名はまたパニック障害になってしまいます。ここで2回目の受給ができたかどうかの体験談があれば良かったんですが、申請していないので*実際のところ受給できるかは分かりません。復職してからの勤務年数がカギになってくるかと思います。*在宅勤務で給与を受給しているため
認められるかどうかは上に書いた通り協会けんぽまたは各健康保険組合が判断します。申請してみないと分からないので、まずは申請してみましょう。
傷病手当金受給体験談 まとめ
以上、私の傷病手当金受給体験談でした。ポイントをまとめます。
- 仕事に行けないほどの体調不良が続く時は、辞めるではなくまずは休む選択を。
- 傷病手当金はそれなりの金額がもらえます。最長1年6か月。ただし国民健康保険の方はもらえません。
- 病名は精神疾患でもなんでも、仕事に行かれないと判断されればOK。
- 原則として同一疾病では1年6か月が最長。ただし、一度復職してしばらく勤務実績があれば、ぶり返したとしても別の疾病として再度支給される可能性あり。
精神疾患に限らず、体調不良で仕事に行くのが困難な方。仕事を辞める前に、傷病手当金をもらってお休みする選択肢を是非検討しましょう。また現在元気な方にとっても、こんな制度があるということで頭の片隅に置いておいて頂ければと思います。

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